日常に恋する日常

地方で暮らす平均的な人

できすぎた歯医者さん

私が通っている歯医者。

お世話になりだしてからかれこれ15年近くなる。

 

1時間半待つこともザラ。

なぜなら先生ができすぎた人で、患者さんもひっきりなしだから。

 

けど、誰一人文句を言わない。

なんなら、忙しすぎる先生を気遣って、手作りのおかずを差し入れする患者さんもいる笑

先生はいつも笑っているし、みんな先生に診てもらうのを楽しみにしてる。

過剰診療はしないし、診察は的確だし、誰に対しても穏やかで明るくて優しい。

誰かれ構わず親身だし、ざっくばらん。

審美や矯正はしていないけど、老若男女で賑わってる。

 

口コミサイトのこの歯科のページも閑古鳥だし、多分医院の看板の電気もずっと替えてないんじゃないかと思う。

もうずーっと入り口が暗い気がする笑

口コミをするような患者さんもいなければ、待ち時間に対しての文句を書く人もいない。

そして人はどんどん溢れている笑

 

みんな静かにずーーーっと診察を待って、先生に歯を見てもらい、笑って帰る。

一見普通のことなんだけど、この空気感の歯医者さん、そして先生にはこの先二度と出会えない気がしてる。

 

この先生の、誰に対しても等しい明るさと優しさとチャーミングさはどこからくるのだろう。

前世で相当徳を積んだからこの人格なのかもしれないけど、こんなに優しく忙しくしてまた徳を積むなんて、一周回って罰ゲームみたいな徳の積み方してるよなぁとも思う笑

 

口を開けるのに、なんだかホッとする歯医者なんてなかなかないよね笑

 

昔住んでいたアパートの近くに新しくできたから、というのが通い出したきっかけなんだけど、一度転居して違う歯医者に行ったらそれは酷い目に遭って。

そこから電車で40分以上かけてまた再び通うようになりました。

今なんて高速でぶっ飛ばしてもいいくらいの距離を、車と電車で行ってます。

とはいえ歯が健康であれば1年に2回ほど掃除に通えば良いだけなので、そこまで苦痛ではない。

先生に会いたい私もいる。

 

仕事で辛かったり、自分に自信がなかったり、どーしようもなく落ち込んでいる日も、先生はいつ訪ねても、先生だ。

15年ずっと、先生だ。

今日も自分の不甲斐なさに泣きかけた後に予約を入れていたけど、先生とスタッフさんのほわほわした雰囲気にすっかり癒され、また自分の小ささに呆れて帰ってきた私…笑

 

先生みたいな人になりたいなと思いながら、そして自分の足りなさに少し涙をこらえながら、いつも帰路につく。

 

この世界には、世の中の綺麗なもの全てを凝縮させたような輝きを持った人がいるのだなぁと、先生に会うたびに思うのです。

 

先生ありがとう。