日常に恋する日常

地方で暮らす平均的な人

田舎のバス

今住んでる地域はいわゆる田舎です。

かつてど田舎に住んでたことのある私からすると、電車を使えば京都へ30分強、大阪へも1時間半あれば到着してしまうこの環境は、十分すぎるほど都会なんですが…(笑)

 

しかしやはりここは車社会。

学生さん、公務員さん、工場勤務の方などが朝晩通勤に使う以外の時間帯は、路線バスもガラガラ。

引っ越してきてペーパードライバーを脱出するのに奮闘していた時は、最寄り駅まで、1時間に1本しかないこの街の路線バスをよく利用していました。平日の昼間、だいたい乗客は駅が近くなるまで私一人でした。

 

昨日、そんな路線バスのバス停近くで精米をしており、ふと時刻表を見ると「〇〇方面は対面にてお待ち下さい」の文字が。

そして対面の道路に目をやると、なんとバス停はなし。片側の進行方向にのみバス停が立っているのです。

 

オットに「〇〇方面に行きたかったら、目印も何もない正面の向かいの道路の端で待っとけってことなのか」と聞いたら、

「そうやで。僕それで小学校の頃、最終バスに置いてかれたことあるもん」

と…!笑

 

なんでも、近くの親戚の家から帰る際、まさにそのバス停の対面の道路でバスを待っていたら、最終バスに華麗にスルーされたらしい…

結局親戚の家に戻って電話を借り、母親に車で迎えに来てもらったそうな。笑

運転手さんもまさか最終バスで、普段乗り降りもほとんどない中間のバス停から、駅とは反対方向(田舎へ帰る方向)に乗る人がいるなんて思わなかったんでしょうね…

今じゃクレームもんだろうけど、なーんかのどかだなぁと。笑

 

私は18歳まで何ヶ所かの県で育ってきたので、それぞれの土地に自分のエピソードが無いんです。

あったとしても、滞在期間がすごく短いから、自分の記憶からも抜けている。

 

オットも両親も祖父母もこの一つの場所で生まれ育ち今も暮らし、町のあちこちに思い出がある。

からしたら羨ましい。

例え家族がみんな居なくなって自分一人になったとしても、この町が自分の居場所であり最後に帰る場所だって思えますよね。

私なんてそんな場所どこにも何にもないから、もしたった一人になったら、住むところなんてそれこそ所さんの番組みたいにダーツで決めてもいいくらい。笑

 

1時間に1本しかないバスでも、こんな風に、この町に暮らす人の思い出があり、交通手段がない人の生命線。

私もこの先ずっとここで暮らしたら、ここが帰るべき場所だと思えるようになるのかな。

また、ゆっくりバスに乗ってみよう。

置いていかれた子供時代の夫を思い出しながら…笑