日常に恋する日常

地方で暮らす平均的な人

【映画鑑賞】パッセンジャー

youtu.be

気になってたけど見忘れてる映画リストに入ってたこの映画『パッセンジャー

TSUTAYA TVでレンタルしました。

 

以下、激しめにネタバレ(ってか100パーネタバレ)しつつ進みますのでご了承ください。

 

結論!

★倫理観という点から見たらこのラブストーリーは0点!

★秀逸なデザインとハラハラドキドキを味わいたいなら100点!

 

といったところでしょうか。

 

話の構成はザ・アメリカ。

インディペンデンス・デイ、アルマゲドンディープ・インパクトゼロ・グラビティなどと同じような感じです(これは予告編で十分予想できますね)。

 

で、肝心なところですが

 

ジム!お前がオーロラを起こしたんかいwww

 

っていうズッコケな展開を目の当たりにしてから、どうもこの男には最後まで納得がいきませんでした。

いやいや・・・と思いながら見てたんですが、結果自分のしたことがバレて、オーロラが「これは殺人よ!(だったかな?)」と叫んだところで、「そうそう!!人殺しだよ!!」とずっと感じていた心がいくらか落ち着いたんですが・・・

 

人殺しとずっと90年もあの船内の中で生活するなんて普通じゃありえません。

最近よくある、凶悪事件の犯人像について「見た感じ普通の人だけど・・・」という近所の人がインタビューに答えてるような事件と同じくらいゾッとする。

いくら孤独とはいえ超えてはいけない一線ってありますよね~。

これも後から登場する甲板長(すみません名前忘れました)がビシッと言ってくれたことでまた観てる方のもやもやも救われましたが。

 

これは子供の教育上良くない気がするぞ・・・

「孤独ゆえに犯す過ちもある」という視点を持てる前に観てしまうのは危険な気が・・・

孤独ととことん向き合い絶望MAXの果てに、何らかの不具合でオーロラも目覚めてしまったという展開ならまだ感動できたのですが。

これって典型的な日本人的な考え方なのかな。我慢の末に何かをゲットするという・・・

 

ほんで最後、結局はオーロラの心と人生もゲットしちゃうわけですから、ジムには一生自分のしたことを悔いながら彼女を大事にしてほしいわけです。

まぁオーロラが彼を許したのならいいんですけど・・・

 

いいんですけどね・・・(笑)

 

とまぁ、到底日本人には納得できないようなモヤモヤを抱えつつ突き進んでいく映画なのですが、

ドキドキハラハラを味わうにはマジ100点!な映画でした。

ジムに腹が立ちながらも次々と起こるストーリーにすごく感情移入できてしまう。

アンドロイドのアーサーが本当に絶妙な立ち位置で物語に刺激を与えてましたね~。

これには素直に感動しました。

アンドロイドだから人間の心とは少しずれてる(このずれ具合の表現もウマイ!)のに、人間の弱さに対して的確なアドバイスをすることもある。

ジム1人の孤独な映画だとジムの主観で全てが進み腹が立つだけの展開なんですが、アーサーがいることでうまく観客の心までも揺さぶられましたね。

「自分も過ちを犯すかもしれない・・・」

「この状況でどうなるだろう・・・」と。

アーサーがアンドロイドゆえ、観ている方も主人公のダメさを冷静に受け止められるようになります。

 

あとは、この宇宙船がヤバイ!もう終わりかも!!のお決まりの展開も、分かっていつつハラハラ。

くそー!と思いながらも、最後の佳境は一緒にドキドキしながら見てしまいました。

宇宙の映像も非常にきれいに表現されており、カメラワークも素敵。

観たこともないような船内の様子もうっとりしてしまったし、映画館にてアトラクション気分で観るには100点だなと思いました。

 

映画館で観てないけど(笑)

 

しかし、時代が進むにつれ、映画で表現される宇宙船のデザインも変わってきてますね~。

この映画の宇宙船は本当に見とれてしまう間取り(といっていいのか)でした。

宇宙に行く権利もお金さえあれば買える現代らしく、キャビンのランクも飛行機のように振り分けられているし、そのへんの妙な現実感もいいなと。

オーロラのキャビンは庶民のキャビンとは全然違いましたもんね。

庶民はコーヒーすら買えないというあの食堂も、皮肉にすら見えました。

 

やはり、遠い未来でも、何か起こった時に地下に潜るか空に脱出するかを選べるのはお金持ちだけなのかもしれません。

 

私がおばあさんになっている頃には、近所のバーにもアーサーがいるんでしょうか・・・