日常に恋する日常

地方で暮らす平均的な人

多分辞めなかったことを後悔するから、辞めます。

もうすぐ、2年2か月続けた仕事を辞めます。

 仕事を始めた頃は、周りには気付かれないように嫌味な態度を取る引継ぎしてくれた女性社員についての悩みから始まり、それ以降も悩むこと数知れず。

仕事を始めた頃の記事一覧です。相当病んでいます。

ryuohgrl2015.hatenablog.com

 

当初は、環境の変化にもともと弱い自分の性格のせいなのか、はたまた職選びを間違ったのか、はっきりしませんでした。

入社して半年程度は、入ったばかりで右も左も分からない私と同僚の2人で、21時前くらいまで残業しまくっていました。

そこから新しい人員が1人増え、仕事も落ち着いてくると、ハッキリしてきた自分の気持ち。

「ああ、この仕事、心底嫌いだ」

という感情をこの2年の間、ずーっと抱えながら仕事をしてきました。

 

1年単位で契約更新される契約社員の為、基本的に、更新を了承したらもう1年働かなければなりません。(という決まりはないはずですが、自分の気持ちとしても、1年間きちんと働かないと気が済みません)

 

そして3年目の契約更新の時期の3ヶ月前に、全従業員が、上司との面談をセッティングされることに。

このタイミングで契約更新しない旨を伝えようとしたのですが、同時期に、家庭的にも自分の人生でも最大のドタバタ劇が起こりました。

このドタバタは約1か月続き、今まで経験したことのない問題に対処しながら仕事をこなし、精神状態はズタボロ。自分の仕事の進退を考える余裕はゼロになってしまいました。

 

するとどうでしょう。

あんなに嫌でたまらなかった会社での日々が、かけがえのない日々として感謝の気持ちが沸き起こってしまったのです。

プライベートでは目も耳も塞ぎたくなるような問題に頭を抱え、食事もうまく取れなくなるほどしんどい状態になってしまったのですが、そんな私に、仕事がなんと絶好の息抜きになってしまうというミラクルが訪れたのです。

 

これは想定外でした。仕事に来れば家庭の問題も一旦忘れることができ、精神も働いている時間だけは安定。あんなに面倒だった同僚との会話や、先輩達の気遣いが嬉しくてたまらない。そして、嫌だった日常については、実はそんな生活ができているということ自体が感謝に値するという、仏の境地まで至ってしまったのです。

そんな中でこなす仕事はもちろん毎日トラブルやクレーム、ミスも発生。ちょっと前までは早く辞めたいと思っていた仕事。些細なトラブルが起こるだけでふてくされてしまう自分も嫌でたまらなかったし、トラブルを対処するのも嫌で仕方なかった。

けど、プライベートで起こっている大問題に比べれば、仕事のトラブルなんて取るに足らない些細なことだったので、めちゃめちゃ冷静に対処できる自分を突如確立できました。嫌な気分も引きずらない。ここにきて、この仕事をするにあたっての完璧な自分の理想像を実現してしまいました。

 

面談の日が近づくにつれ自分も何故かレベルアップしていく。何ならその職場に通勤する毎日に感謝さえしてしまう。

私は相当焦りました。

自分に合わない仕事だとハッキリ分かった為に契約は更新しないと決めていたのに、このままではバリバリ仕事がこなせてしまう。ヤバイ。どうしたらいいんだ。

 

分からないまま面談の前日になり、いい加減決めなきゃいけない。

辞めるのならば、面談前には同僚にも伝えておかなければ。

その日の同僚同士のたわいもない会話の中で、伝えるのなら今しかない、という沈黙が流れた時。一言つぶやきました。

「明日、言います。契約更新はしません。」

 

発する前の沈黙は5秒程度だったと思うのですが、その間に色んな思いをきちんと整理し、辞めるという結論を出せた自分に驚きました。

毎朝憂鬱な気持ちを抱えたまま出勤する日々。

その日一日が良かったかどうかは、トラブルのあるなしで決まる毎日。

子供のいる同僚の突然の休みに怯える毎日。

その休みが入ると、残業になる為、プライベートの予定をキャンセルすることだってあること。

納期調整や果てしないやり取りに疲弊している毎日。

 

これをあと1年続けるなんて、私の心はもう持たない。

あと10年続けられたとしても、多分、辞めなかったことを後悔する。

 

これが最終的に心に浮かんだ、自分の叫びでした。

 

あと2週間で、私は、後任者への引き継ぎを終え、この仕事を終えます。

学ぶことも多かったし、何より人間関係は本当に良かった。

それなのに辞めてしまうのは勿体ないのではないかと、幾度となく葛藤しました。

でも、私はいつかきっと持たなくなる。自分が一番分かっています。

人間関係は人事異動や退職で変わってしまうから永遠ではない。永遠に変わらないのはこの仕事内容だけ。

それを考えた時、これ以上この職場に自分の人生の時間を使うことはできない、と確信しました。

 

次どんな仕事をするかも考えていませんが、私の事なので、きっとまたすぐつまずいて泣きながら新しい道を歩むんだと思います。

でも、きっといいことも沢山ある。答えも1つじゃないし、正解もない。自分の時間を沢山使う仕事なら、好きになれる仕事の方が絶対に良い。

 

30代なのに子供みたいなことを言うな、と思われるかもしれないけれど、そう思われたところでその人に私の人生を代わりに歩んでもらう事もできません。

今はただ、前を見て、もう一度靴紐を結び直す地点に立っています。

 

そうだ。次の課題だ。何があっても、前を向いて生きよう。