なんとなく子供の時からそう感じている。
一人っ子だし、そうなると、親にも孫は見せられなくなるだろう。
自分が妊娠をできる身体だと、何故か昔から思えないのだ。
そして、妊娠を望む気持ちがそこまで芽生えてこない。
こういう人ほど、妊娠が難しい歳になって、治療しなかったことを後悔するという。
けど、病院通いは私には合わなかった。
色んなサイトを見ていると、誰かの心無い言葉にゾッとすることがある。
「今は不妊治療があるんだから」
「治療を頑張って」
「不妊」を「治療」するって何なんでしょう?
最新の抗がん剤は何十万もすると何かで耳にしたことがある。
頑張りだけではどうしようもないことだってある。
妊娠に向けてステップアップするにつれ、費用もとっても高くなる。
「不妊」は「状態」であって、「治療」は「改善」「好転」ぐらいに考えておかないと。
漢字や、そこから連想されるイメージ、印象で勝手に意味合いが決まってしまう日本語では、「不妊治療」と言う言葉が過激に感じてしょうがない。
不妊を放置するなんて人としてどうかしてる、くらいに人を追い込む人が現にいるのだ。身近にいたら、私怖くて近寄りたくないよ(笑)
子育ても仕事も頑張る女性が声を上げたら、色んなメディアが一斉にそっちへフォーカス。特集番組の雨嵐。
家にいる女性を叩く風潮が勢いを増す。扶養内で働く主婦が楽だと決めつけられたり。
女性は周りを良くも悪くも気にし、配慮する能力があるが故に、降りかかってきた情報があまりにも自分と境遇が違うと気が付くと、もう大変だ。
しっかり自分を持っていないと、「他人は他人の人生がある」という当たり前の視点を失って物事を見てしまう。
ある際立った人生を送る女性がクローズアップされると、一気に世の中の風潮までそっちへシフト。
2年くらい前にとある水族館で見たイワシの回転ショーみたいで笑ってしまう。
原理は簡単、飼育員さんが水槽の上から回転方向へ餌をまくのだ。
あっちに餌があるとみんなあっちへ回り出し、くるくる渦が止まることがない。
滑稽なのにキレイにライトアップまでされて幻想的(笑)
人生のスパイラルと一緒だなと思って、ライトアップされたイワシを見てフフッと笑ってしまった。
この間、テレビで、一度流産してそれ以来子供に恵まれなかったという40代後半の女性の映像を見た。
女性である以上、子供は持つか持たないか、恵まれるか恵まれないか、どちらかの人生しかないのだ。
きっと今でも葛藤されているかもしれないし、年齢を重ねるにつれ、周りの心無い言葉も沢山あっただろう。
それでも彼女が人生を立派に歩んでいるその姿に、自然と涙が出てしまった。
なぜかは分からないけど。
私は新しい命を授からないかもしれないけれど、
人生で一番信頼できる夫と一緒になれた。
夫の両親や兄弟という新しい家族が増えた。
最初はぎこちなかったけど、今は「大好きだよ」と言ってくれる甥と姪ができた。
私の両親は、夫と一緒になれたことに安心している。
助け合える友人たちはより大事な友人となった。
これ以上新しいものが神様からもたらされることなんてなくても大丈夫なくらい、今の人生で学ぶことは沢山ある。
子供はまだかまだかと言われる私には、はっきり言える確かなことがある。
私は、それでも世界一幸せだ。