日常に恋する日常

地方で暮らす平均的な人

ネット時代の「スカッとしないJAPAN」

すごくウィットに富んだイラストと言葉で感性を刺激してくれる

イラストレーターの「Pantobisco」さん。

 

インスタでフォローしてて、日々その才能に感嘆しているのですが、

その中でも気に入っているのが、私たちのモヤっとする行動をビシッと指摘する「キビ島キビシ」シリーズ。

この間の格言は

 

言いたいことあるなら本人に言えよ!

 

 

うんうん。

 

 

納得!

 

 

最近、全然笑えないニュースが駆け巡りました。

某タレントさんの不倫が原因で元夫が自ら命を絶ったと。

 

最初は私も驚愕しましたが、もっと驚愕したのが、その出来事を報じるネットニュースのコメント欄がさながら集団リンチの様相を呈していたこと。

 

そもそも私はその情報源である週刊誌を購入してなかったので、

まぁ私自身もその事について確証を得たわけではないし、語る資格はないんでしょうけど。

 

このタレントさんは無期限休養に入るそうで。(そりゃそうか…)

そこで直感的に感じたのが「これって彼女、一度殺されたようなもんだな」ということ。

 

ご遺族の方の気持ちを考えると当然!という声が大多数でした。

私はこういう時、相手にどう自分の気持ちを知ってもらうか?という方法も全く思い浮かばないのですが、ただ、これは紛れも無い公開処刑だなと思いました。

 

以前、このブログでかつてのゲス不倫についてちょっと書きましたが、

その時の彼女と同じく、今回の彼女も例え復帰したところで、もうこれまで通りに仕事はできないでしょう。

彼女は今こうして命があるので、生きることはできます。

けど、時間が経ってからの今、一度殺されたようなもんじゃないでしょうか。

これまで通りの生き方をするのが許されなくなってしまったのだから。

 

 

自分の身内が、配偶者の不倫をほのめかして命を絶ったとしても、

果たして全ての原因がその配偶者にあったのかどうか。

夫婦のことは夫婦にしかわからないのです。

ましてや片方がもうこの世にいない場合、なおさら。

 

「お前のせいで身内が死んだ!!!!」

 

これを100パーセント裏付けできる証拠はもはやその遺書だけしかない。

(不倫の証拠となる写真などが残されていたそうだけど)

身内に話を聞こうにも、もう本人はいない。

 

その遺書を読んだ側は、配偶者を犯人とし、遺書を公開することで、社会的に制裁する。

 

 

何とも言えない気持ちになりました。

 

 

彼女は反省の色が足りなかったのでしょうか。

だから、こういう事をされてもおかしくないんでしょうか。

当然なのでしょうか。

 

私も昔、後輩に対して「反省の色が足りない」という、自分だけの正義の基準に基づいて厳しい訴えの手段に出たことがありました。

 

けど、その後襲って来たのは激しい後悔と自分に対する逆制裁でした。

 

「態度が悪い」「反省の色がない」などという善悪の判断基準は、とても曖昧です。

スカっとJAPANを見ていてスカっとするのは、発信側の正義の基準と視聴者側の正義の基準が合致しているからですが、

中には、スカッとJAPANを見て、裁かれた側に同情してしまう人もいるでしょう。

ただ世間的には裁かれた側が何となく正しいのです。

行列のできる法律相談所は、法律という基準に照らし合わせてどうこうと答えが出るので、共感できずとも納得せざるを得ないですね。

 

今回は話の流れ的にはスカッとJAPAN側の出来事だったと思いますが、

ご遺族が「これで良かった」と感じるのならそうすべきだったかもしれません。

 

が、夫婦の間の問題を世間にさらけ出した結果、

結果として彼女はおそらくもう二度と自分が辿って来た道をまっすぐは歩けません。

ネットの過激なコメントによると殺人者のレッテルを貼られてます。

 

 

もしかして、配偶者が自死をする前に、全て明かして2人で話し合っていた最中だとしたら?

 

 

けど、彼女はこのことについてもう弁解すら許されないでしょう。

 

そしてそのニュースに溢れる、彼女と配偶者のことを詳しく知りもしないのにすごく汚い言葉で罵るか、上品な言葉で諭すように上から目線で語るコメント。

 

ご遺族が選んだ正義にのっかって(上品に言えば「賛同して」?)矢のように更新されるコメント。

まるで集団リンチだなと思いました。

私的制裁に見知らぬ人が過激に乗っかる。

しかもその見知らぬコメント主たちはその事件に対して直接手は加えていない。

流れて来たニュースに感化されただけ。

けどこの時代、声を乗せるだけでどんどん大きな不気味な何かになる。

ネットを離れた私生活でもそんな正直に、正義を振りかざしながら生きて行ける人たちばかりなのだろうか?

コメントのように人に言いたいことを言いながら生きてるのだろうか?

 

そんなモヤモヤしてる時に出会ったキビ島キビシの言葉。

 

「言いたいことあるなら本人に言えよ!」

 

ガチンコで意見のタイマンを張る時代はもう終わったのかな?

こんな集団リンチの様相を不気味だと思ってしまうアラサーの私がもうすでにオバハンなんだろうなとは薄々気付いているのですが・・・(笑)

 

ただこれだけは、私の中で変わらない考え。

自分基準に基づいて行った制裁はその時点で100パーセント正しいものではないと。

この世の中、「スカッとしないJAPAN」という結末も十分あり得る。

 

自分にとってスカッとしないJAPANな状況になった時、もう一度スカッとしようとするのが(ニュースは現状のこの状況を報じたのでしょうね)果たして正しいのかどうか。

 

言いたいことあるなら直接言うぞ精神は常に持っておきたいですね。